松下さちこ|恋する安楽椅子
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霧とリボン企画
松下さちこ個展
《What makes me, me——「私」を「私」たらしめるもの》
出品作品
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真白な猫に誘われて
しばしまどろむ安楽椅子
せめて夢で逢えたなら
——松下さちこ
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文|高田怜央
学校が休みに入ると、私は大伯母の家へ遊びに行っていた。広い庭の奥に建つ小さな日本家屋は、さながらキャビネ・ド・キュリオジテ。玄関先に泊まりの荷物を持って現れた私の頬に、中国風の扇子で白檀の風を送り、冷たいレモングラスのお茶を飲ませてくれた家主の後ろをついて回る。
この椅子はね、アトランタから持ってきたのよ。あの頃、日本には、フューシャピンクの家具なんてなかった。百貨店へ行っても、つまらない色ばっかりで。だから渡米したの。
ステキでしょう。座ってみなさい。さあ、ミミ、キキ、お友だちが来たわよ。
私は、大伯母が暮らしたアメリカの風景を想った。明るい太陽と、大きな花と、キャラメルのような英語のアクセント。
きっとそこで大伯母は、毛足の長い猫のように、立派なお姫さまだったに違いない。
日曜日の昼過ぎ、父が迎えに来て、私は大伯母の家を後にした。その日の朝食は、赤いトースターで焼いたバナナと、ピーナッツバターサンドだった。思い出して作ってみたら、想像以上に甘かった。
★作品情報
色鉛筆・鉛筆・紙
作品サイズ|30.3cm×24.2cm
額込みサイズ|33cm×27cm
制作年|2026年(新作)
★6・7枚目画像はDAY 2ご紹介作品。お届けする作品は《恋する安楽椅子》のみとなります。
★プロフィール
松下さちこ|イラストレーター
第187回ザ・チョイス入選(皆川明氏選)。主な仕事に百貨店クリスマスビジュアル、アパレル、音楽関連、パッケージ、挿絵〜装画等。様々な技法で描くイラストレーションと手描き文字で活動する。
*画像の色味はできる限り現物に近づけておりますが、ご覧頂く環境により見えは変化します。ご了承願います。
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